研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では除染や廃炉作業を進めるために、放射性デブリから放出されるガンマ線の空間分布を可視化できるガンマイメージャーの開発を行った。特に研究代表者が進めているX線CTイメージャーで使われている多系統ピクセルセンサーを、このガンマイメージャー用途に2次元アレイセンサーとして拡張応用することで、極めて高計数率での計測を実現できる。そして、開発したガンマイメージャーを用いることで、~100 Sv/h の極めて高い線量率でもエネルギー情報をもつ2次元イメージングを実現できることを実証した。
X線・ガンマ線イメージング
2011年に生じた福島第一原発のメルトダウンにより、崩壊した原発炉内部の放射性デブリの除染作業は極めて重要である。そこで放射性デブリの可視化が極めて重要となっているものの、空間的に狭い炉内では、放射性デブリから放出されるガンマ線だけでなく散乱ガンマ線の存在により、デブリの空間分布を把握することが難しい。本研究では、エネルギー情報を利用することで、この散乱ガンマ線の影響を除去できるガンマイメージャーの開発に成功した。これにより、除染作業を効率化し、将来の安心・安全な日本に貢献することができる。