トキソプラズマ症には全世界人口の約3割が潜伏感染状態と推定され、世界で広く分布しているが、現状のトキソプラズマ治療のための薬剤は限られていることから、代替薬が求められている。一方で、ナノテクノロジーの発展により同技術の医療への利用の可能性が期待され、様々な疾患に対する将来的な治療方法の1つとして研究が進められている。本研究の成果は、金属ナノ粒子を基にした新規の抗トキソプラズマ薬としての可能性だけでなく、抗原虫作用の分子メカニズムの解明に向けた新たな知見を提供する。粒子の大きさ、他の特性を変化させることで医学応用が図られ、特に活性酸素種の生成を促進することで病原体の殺傷に効果がある可能性がある。
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