研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、細胞や組織内の酸素分圧をイメージングするための赤色りん光イリジウム錯体と、マウスなどの小動物組織の酸素分圧をイメージングできるりん光寿命イメージング顕微鏡の開発を行った。これらを用いて、麻酔下にあるマウスの肝臓をイメージングしたところ、肝小葉のイメージングに成功し、肝小葉内に酸素分圧勾配があることを定量的に示した。さらに、同一視野における肝臓のりん光寿命イメージングから、酸素依存的な代謝過程をリアルタイム追跡することに成功した。
光化学
酸素は、我々が生命活動を維持するために必要不可欠な分子です。本研究では、麻酔下にあるマウスの臓器内の酸素分圧を計測・イメージングする方法論の開発に取り組みました。得られた研究成果から、世界で初めて、光学的方法を用いて肝臓内の酸素分圧分布をイメージングすることに成功しました。この知見は,がん腫瘍など,細胞が異常増殖し血流が不十分な組織内の酸素分圧を明らかにすることに繋がり,がんの発見,診断,治療法の開発に貢献することができます。