研究課題
2021年度では、現場でも使える尿意識別システムを構築するために、以下の3項について、研究を進めてきた。1) 前の年度の予備実験で取得した異なる尿意レベルにおけるバイタルサイン(心拍、血圧)を用い、データの前処理、後処理、及び直前の排尿からの経過時間を情報として用いることで、70%以上の識別が達成することができた。尿意レベル3,4の識別は、尿意の予測ができることを意味し、介護現場の排泄ケアの負荷軽減の可能性示唆した。2) 介護施設の実用を想定し、非拘束型センサである圧電センサシートの計測データから心拍、血圧を推定する可能性を検討した。一定の精度で推定できることを確かめた。特に血圧の推定の精度をさらに向上する必要があるが、バイタルサインの計測の無拘束化は、尿意予測技術の実用化を可能にした。3) Closed-Loop尿意識別システムを構築するために、非線形性を有する制御対象の制御系の構築方法、最適化方法の検討を行った。その制御系は生体の無意識反応であるバイタルサイン、排尿関連しぐさ、排尿リズムを入力とし、生体の尿意レベルと生体への刺激を出力とする。すでに採取した排尿レベルのデータによって、構築システムの検証を行い、一定の精度で推定できることを確かめた。感染症蔓延防止のため、介護現場での検証実験ができなかったものの、無意識プロセスを用いる尿意予測に関する研究開発の可能性は示された。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
IEEE Robotics and Automation Letters
巻: 7 ページ: 5982~5989
10.1109/LRA.2022.3162021