本研究は、気相中で分子認識できるDNAアプタマーを設計・開発することを目的とした。現在、金属酸化物センサー等が、気相中のガス分子検出に用いられているが、特定のガス分子を特異的に検知できない。DNAは気相中でも水中での構造を維持している可能性があり、優れた分子認識能を持つDNAアプタマーは、気相中でも3次元構造を維持し、標的分子を認識できる可能性がある。そこで、気相中でのアプタマーによるガス分子認識を、アプタマーを固定化した水晶振動子で検出した。インドールが結合すると、振動数が変化し、メチル基一つを余分に有するスカトールに対しては振動数の変化を観察できなかった。特異的な検出に成功したといえる。
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