音響誘起電磁法(ASEM法)は、超音波(音圧)により誘起される電気分極(圧電分極)を検出する方法である。この分極は、一軸対称性をもつコラーゲン等の線維組織の圧電性に由来する。そこで、臓器の慢性疾患に伴う過剰なコラーゲンの蓄積が検出・画像化されることが期待される。本研究では、ラットの慢性心筋梗塞モデルおよび腎不全モデルを用いて、線維化の可視化検証を行った。その結果、①健康な心臓では分極がほとんど観測されないため、心筋梗塞モデルにおいて明確なコントラストをもって線維化分布が得られた。②腎臓については、健全な腎臓でも分極が観測されたため、分極発生面積比として評価したところ、明確な有意差が得られた。
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