研究課題
新たにVitamine K-dependent protein Z, THP, Calgranulin B, High-mobility group protein B2, Lysozyme, Albuminなど6種類のタンパク質分布可視化条件を確立した。これらのタンパク質の中で、LysozymeとAlbuminはシュウ酸カルシウム結晶の成長を促進するという報告がある。そこで特に、この2種類のマッピング結果と結晶の関係性について調査を行った。結論としては、結晶成長の促進効果が高いLysozymeの結石中の存在量は、本手法で可視化できる検出限界以下であることが分かった。少なくともこれまで観察してきたオステオポンチン(OPN)、カリグラニュリンA(Cal-A)、プロトロンビン(RPTF-1)と比べて極めて結石に取り込まれにくいと考えられる。一方で、Albuminは、結晶の内部にはほとんど見られなかったが、結晶と結晶の粒界に濃集する様子が観察された。この分布状況はCal-Aの分布と非常によく似ていた。次に、シュウ酸カルシウム結晶(CaOx結晶)をin vitroで合成し、この結晶表面に蛍光ラベル化したLysozymeやAlbuminが吸着するか否かを蛍光顕微鏡で観察した。その結果、LysozymeはCaOx結晶にほとんど吸着しなかったのに対し、AlbuminはCaOx結晶の特定の方位に吸着する様子が確認された。過去の結晶成長実験から、LysozymeやAlbuminはCaOx結晶の表面と相互作用して結晶成長を促進すると考えられていたが、今回の単結晶を用いた蛍光ラベル化分子の可視化、および結石薄片の分子マッピングにより、例え結晶成長に影響を及ぼすタンパク質分子だとしても、結晶内部に取り込まれずに影響を及ぼすことがあると分かった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (4件)
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