レイヤーレベルの大脳皮質髄鞘密度を反映するMyeloarchitectonic imaging法の開発と、個人脳データに基づく脳アトラス構築のために、皮質内髄鞘分布を高度に反映する定量的磁化率画像および緩和画像の開発、細胞微細形状計測に特化した拡散画像法の開発と7テスラ超高磁場MRIへの導入、定量的磁化率画像・緩和画像および拡散画像から髄鞘密度分布様態を画像化、Myeloarchitectonic imagingによる大脳皮質髄鞘密度分布解析と皮質分節再構築を計画した。昨年度に続き、大脳皮質微細髄鞘構造描出の技術的基盤整備を実施し、多チャンネルコイルの各エレメントから得られる複素信号の合成精度改善のための Computationally Efficient Combination of Multi-channel Phase Data From Multi-echo Acquisitions (ASPIRE) シーケンスの大脳皮質計測への最適化、拡散情報収集のためのDiffusion Spectrum Imaging(DSI)の大脳皮質内細胞構造計測への最適化を実施した。これらにより、ヒト生体計測を前提とする実用計測時間内に、3から5つの異なるエコー時間を収集でき、かつ0.6 mmの平面分解能を有する磁化率画像の収集が可能となった。また、拡散計測では、DSI法にて計測した拡散MRI画像をもとに generalized DSI farmework を応用した generalized anisotropy にて、基底核を構成する深部灰白質の各解剖学的構造毎に分離が可能であった。これらの検討をもとに、超高磁場7テスラMRIにより得た磁化率、緩和時間、拡散情報を複合することでマルチパラメトリックパーセレーションを皮質に適用する多変量解析アルゴリズムの検討を進めている。
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