• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

癌転移検査法としての in vivo リキッドバイオプシーの創成

研究課題

研究課題/領域番号 19K22986
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

石原 美弥  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 教授 (30505342)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード血中循環腫瘍細胞 / リキッドバイオプシー / 微小流路 / 採血 / 毛細血管
研究実績の概要

血中循環腫瘍細胞(CTC: Circulating Tumor Cell)は、転移再発リスクのサロゲートマーカー・再発転移の主要因と考えられている。血液など体液中のCTCを測定するリキッドバイオプシー(体液診断)は、転移性の乳癌、前立腺癌、大腸癌に対してFDAから承認が得られている。本研究では、光音響イメージングによりin vivo リキッドバイオプシーを実現することを目指した萌芽研究である。現状のリキッドバイオプシーに対して、in vivo リキッドバイオプシーでは、採血が不要になることを狙う。
2年計画の1年目として、まず予備実験として、マウスを対象としたin vivo実験を行なった。その結果、予想より良好なデータが取得できた。なぜ、「予想より」なのかについては、血管径に関連づけられる光音響信号の特徴量が関係していると考えている。データ取得のバリエーションを増やすことができれば、上記に対する実験的なデータが取得できる。加えて、実質的に汎用性が増すことから、研究要素の優先順位をあげて検討している。研究要素というより、技術的な部分ではあるが、レンズ、センサ、測定対象の干渉がないように、作動距離を確保して、アライメントを柔軟に行なうことができる系を設計・構築することの重要性も再認識した。開発装置システムの性能という面では、x-y断面の分解能に比べて、深さ方向の分解能の性能を向上させる必要がある状況である。
開発技術過程の一部を技術系の専門性の高い学会誌に投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染拡大防止の策として、学内での動物実験の規模を縮小しているため、動物モデルに対する研究は遅れ気味である。リキッドバイオプシー、ガン検査共に、進歩の早い研究分野であることから、網羅的な文献検索を行っているが、識別パラメータとしての有効性については、動物実験で解決する必要があると考える。
光音響イメージング開発については、これまでの経験も活かせることができており、順調である。

今後の研究の推進方策

現在は要素技術がバラバラの状況なので、早急にシステムとして稼働するために統合する。そのためには、動物モデルの検討を進め、動物のセッティング時に、光エネルギーのロスが少ない光路を決定する必要がある。2年計画の2年目は、システム化と動物モデル構築の両者のバランスを取りながら成果が出るように進める計画にしている。

次年度使用額が生じた理由

理由としては、予定していた研究打合せ・国際学会がキャンセルになったため、出張旅費、学会費の使用がなかったこと、学内での動物実験の規模を縮小しているため、R1年度後半に予定していた動物モデルに対する研究は遅れ気味であることがあげられる。
R2年度の計画として動物実験を加速させ、国際学会での研究成果発表を予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Photoacoustic tomography reconstructing absorption coefficient and effect of regularization minimizing p-norm2020

    • 著者名/発表者名
      Shinpei Okawa,Takeshi Hirasawa,Toshihiro Kushibiki,Masanori Fujita,Miya Ishihara
    • 雑誌名

      Proceedings of SPIE

      巻: 11240 ページ: 112403N-1-6

    • DOI

      10.1117/12.2551478

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 透過型正立光音響顕微鏡に用いる超音波センサーの評価2019

    • 著者名/発表者名
      田地 一欽 , 石原 美弥 , 辻田 和宏 , 平沢 壮 , 大川 晋平 , 櫛引 俊宏 , 佐藤 正人 , 伊藤 敬一
    • 雑誌名

      電気学会研究会資料

      巻: OQD-19-039 ページ: 7-12

    • 査読あり
  • [学会発表] Photoacoustic imaging of fresh human surgical and endoscopic gastrointestinal specimens: a pilot study2020

    • 著者名/発表者名
      Miya Ishihara, Hiroaki Ikematsu, Dai Murakoshi, Kaku Irisawa, Shinpei Okawa, Toshihiko Omori, Satoshi Ozawa, Atsushi Ochiai
    • 学会等名
      SPIE Photonics WEST BiOS 2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 光音響計測による吸収係数分布の3 次元画像再構成2020

    • 著者名/発表者名
      大川 晋平, 平沢 壮, 櫛引 俊宏, 藤田 真敬, 石原 美弥
    • 学会等名
      レーザー学会学術講演会第40 回年次大会
  • [学会発表] レーザー加工技術による心房細動マウスモデル構築へ向けて2019

    • 著者名/発表者名
      堀井俊平, 矢田 浩崇, 伊藤 桂, 辻田和宏, 石原 美弥, 足立 健
    • 学会等名
      国際光デーシンポジウム2019
  • [学会発表] レーザー照射による長時間型心房細動マウスモデルの作成とその電気生理学的特徴について2019

    • 著者名/発表者名
      矢田 浩崇, 堀井 俊平, 伊藤 桂, 辻田 和宏, 橋本 賢一, 石原 美弥, 高瀬 凡平, 足立 健
    • 学会等名
      第54 回埼玉不整脈ペーシング研究会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi