味覚、小腸そして脳のハイスペック組織モデル(オルガノイド)基盤技術を応用し、味蕾オルガノイド-ミニ腸-脳オルガノイドを液性循環デバイスに統合した生理的高機能的な味覚-小腸-脳相関モデルを構築する。さらに、生理モデルとして老化や味覚と神経回路の活性化、小腸機能と神経系疾患を網羅する病態モデル構築、創薬応用への橋渡しとなる基盤システム構築を目指す。今年度は、ヒトiPS細胞由来腸管オルガノイオドミニ腸で三大栄養素(タンパク質、糖、脂質)の各種トランスポーターの同定と吸収能評価を実施した。吸収能評価系では、可視化試薬を用いて動的に観察できる系を構築することができ国際専門誌へ報告した。食生活を含めた生体環境が国民の疾病動勢に影響するのは明らかである。ここ10数年で急激に増加し発症年齢も超若年齢化している炎症性腸疾患の原因は人種間の差で説明がつかない。食事・栄養が末梢のシグナルから中枢の神経回路を生物モデルとして具現化することを目指した本研究では、段階的に目的を達成できた。今後は、脳神経系との連関モデルの構築に向け研究を進める。
|