本研究は以下の3点を目的としていた。まず①ルーズビハーンとイブン・アラビ ー思想の近似について存在論的観点から検討を加える。②イラン・スーフィズムがイブン・アラビー学派へ与えた影響を明らかにすることで論を補強する。また研究目的①、②の遂行にあたり、③教団の始祖とされたスーフィー聖者、教団の運営者、教団という3者の連関を思想面から検討する。 研究遂行の成果として、特にトルコのメウレヴィー教団における教団教義とスーフィズム思想との関わりの詳細を明らかにすることが出来た。今後他の教団の検討も加え、教団研究とスーフィズム思想研究をスーフィズム史として統合する端緒を得ることが可能であると考える。
|