研究課題/領域番号 |
19K23003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
筒井 忠仁 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20851322)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 又兵衛伝承 / 洛中洛外図 |
研究実績の概要 |
今年度は、本来は海外での作品調査を行う予定であったが、感染症流行のため実地調査の機会が制限された。国内においても制約があったため、可能な範囲に限定して実地調査を行った。具体的には、岐阜県美術館において岩佐又兵衛伝承に関わる後世の作品、津山郷土博物館において又兵衛の作品が伝来した津山松平家の史料、東京国立博物館において又兵衛の代表作舟木本洛中洛外図および同時代の関連作品の調査閲覧等を行った。また、京都文化博物館にて又兵衛と関連する誓願寺門前図屏風の調査を行った。この作品は、従来弟子の関与が取りざたされてきたが、又兵衛本人の関与が想定しうることを確認した。その成果は、次年度にシンポジウム等で発表する予定である。 実地調査の機会が制限されたため、文献による研究を積極的に行った。特に又兵衛作品および又兵衛伝承の後世への影響についての理解を深めた。そのうち、洛中洛外図の名所図としての側面に着目し、その後世への影響について考察した論考については、ウィーン大学との共同シンポジウム(オンライン開催)において英語による口頭発表の形で成果を公開した。 なお、又兵衛作品の伝来とそのコレクションの意義についても研究を行い、美術フォーラムにて論考を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症流行により、実地調査に関してかなりの制約を受けたため、当初の予定からは研究が遅れている。しかしながら、文献調査等を積極的に行うことで、全体としてに着実に成果が出る様進めている。研究成果の公表は、オンラインによる研究会等に参加することで、かろうじて可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の要となる実地の作品調査が行えるかどうかは今後の感染症の流行次第だが、可能な範囲で調査を進め、成果に結び付けていきたい。海外調査は難しい状況だが、その分国内所蔵機関と連携を取り、関連資料等を収集して、適切に研究を遂行することとする。また、文献調査、史料調査等を積極的に行い、補完的に研究を進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は感染症拡大のため特に海外における実地調査が十分に行えず、旅費の執行が滞った。次年度は国内を中心に調査を行い、併せて必要機材の購入等による物品費の使用により、経費を執行する予定である。
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