研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、新出土文献を活用し、古代中国兵学思想史において、占術がどのような理論(根拠)に基づいて成立しているのか、またその歴史的展開について検討した。その結果、「暈占(「暈」は太陽や月の周りに現れる光の輪)の理論」「孤虚占の理論とその変遷」「兵陰陽の定義とその歴史的展開」の三点を明らかにすることができた。
中国兵学思想史
本研究の学術的意義は、中国兵学思想史研究に、「術数」「占術」というアプローチ方法を提供したことにある。これまで、中国兵学思想史の研究は、『孫子』をはじめとした人為を重視する兵学思想を中心に取り上げられてきた。また、術数・占術が取り上げられることがあっても、それはあくまで『孫子』との関わりの中で論じられるのみであった。これを根本から見直したのが本研究であった。また、社会的意義としては、現代でも信じられることがある占い(六曜占い・生年月日占い)の淵源について、一定の知見を提供する点が挙げられる。