ホワイトヘッド哲学における「具体性」「美的なもの」という概念と、アナキズムにおける「相互扶助」「自然」という概念を軸に据え、社会における紐帯としての「美」についてどのように論じられるのかを明らかにした。里山などでの生活基盤において労働が自然に働きかけをしていき、美的なものを探究していくことを明らかにした。ここでいう美的なものとは、人間が自然に適度に働きかけることによって生じる秩序のことであり、それによって生活が可能になるあり方である。過剰な自然への介入ではなく、生活や自然に強制を行うのではなく、受動的な存在としての人間という観点を具体的なものとして据え、自然と中動的に労働することである。
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