研究課題/領域番号 |
19K23029
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
坂井 めぐみ 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (00851578)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 人工妊娠中絶 / 優生保護法 / 産婦人科医療 / 中絶胎児 / 科学技術史 / 医学史 |
研究実績の概要 |
本研究は、優生保護法下で蒐集された中絶胎児の標本コレクションについて、蒐集経緯、成り立ち、ネットワークのありようを研究倫理の観点から検討するものである。2020年度の研究経過は以下である。 ① 資料収集・分析:2019年10月に日本医師会医学図書館で複写した1948年から1970年までの資料『母性保護醫報』の分析を進めた。さらに、複写できていない『母性保護醫報』を古書店で入手した。また、そこに記載されていた産婦人科医療機器企業の学術部で編纂された1960年代の文献、資料について、2020年1月に図書館のレファレンスを通して同会社に問い合わせ、一次資料が所蔵されていることを確認した。後に同会社から、これらの資料をPDF化したものを提供してもらうことができた。これらの資料の分析を進めた。 ② 報告:①の資料分析の成果にもとづき、中絶技術に産科医団体がいかに関与したのかという観点から考察し、日本科学史学会第 67 回年会で報告した。新型コロナウィルスの影響で学会が開催されなかったため、内容が「研究発表講演要旨集」への掲載という措置になった。 ③ 論文発表:先天異常の発生予防を目的とする「京都コレクション」が蒐集された1960年代日本の障害者観を同時代に実施されたパラリンピック東京大会(1964年)と関連づけた論考を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
●新型コロナウィルスの影響で予定していた仙台調査に行けなくなったため
●妊娠・出産に伴い、研究中断を余儀なくされたため
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今後の研究の推進方策 |
優生保護法に関する資料や産婦人科医療に関する文献、資料の収集を継続し、分析を進め、今年度の報告内容とあわせて論文化し「科学史研究」あるいは「医学史研究」に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度、妊娠・出産に伴う研究中断期間があったため次年度使用額が生じた。次年度は、主に書籍代、資料購入代に使用する。コロナウィルスが収まれば、資料調査に行くための旅費に使用する。公文書館、医師会図書館などを予定している。
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