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2021 年度 実施状況報告書

スラヴ諸語の音韻体系における最新実態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K23034
研究機関東京大学

研究代表者

渡部 直也  東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (30846671)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2023-03-31
キーワード言語学 / 音韻論 / ロシア語学
研究実績の概要

ロシア語のアクセントパターンについて、辞典をはじめとする文献から収集したデータを基に、分析・考察を行った。前年度の研究により、名詞のアクセントにおいて、使用頻度の高い語については活用形間で強勢位置の移動が生じやすいことがわかっていた。そこで、動詞の現在活用についても同様に、頻度辞典のデータを参考にしながらアクセントパターンを分類した結果、やはり頻度の高い語で強勢移動が起こりやすいということが明らかとなった。現象の一般化をある程度行った一方で、強勢移動そのものがどのような原理によって動機付けられるのかについては、疑問が残る。ロシア語における全体的な音韻法則のほかに、形態論的要因が関係している可能性を検討した。名詞と動詞とで異なるアクセントパターンが生じるのは、日本語や英語など、他言語でも観察される現象であり、ロシア語でも同様の現象が生じていることが示唆される。
さらに昨年度からの継続で、ロシア語における新語形成を考察する一環として、近年特にインターネット上で見られるようになった日本語由来の借用語を対象に研究を進めた。先行研究や以前の自身の研究において、外来の語彙がロシア語本来の語形成過程を経ることで、様々な語が派生する例が確認されていたが、日本語由来の語についても、一定のコミュニティ(アニメやゲームの愛好者など)においてはそうした派生語が用いられることがわかった。
また理論研究の一環として、言語データを正しく予測できるモデルの構築を引き続き模索した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症による渡航制限が長期化し、ロシア語に関する音声データの収集や、チェコ語やブルガリア語をはじめとするその他の言語に関するデータの収集について実施できていないため。文献調査についても、インターネット上で行えるものには限りがあり、非常に遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

渡航制限の緩和が始まっているため、現地におけるデータや文献の収集を行う予定である。ロシアのウクライナ侵攻により入国が難しい地域を避け、チェコ・ポーランド・ブルガリアなどへの渡航を検討している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、海外渡航に対する制限によってデータ収集が実施できず、旅費の支出がなかったため。
現在渡航制限の緩和が進んでいるため、現地での調査を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Frequency and markedness in Russian verbal stress2021

    • 著者名/発表者名
      Watabe, Naoya
    • 学会等名
      The 14th European Conference on Formal Description of Slavic Languages
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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