研究課題
研究活動スタート支援
ロシア語・チェコ語・ポーランド語・ウクライナ語をはじめとしたスラヴ諸語における音韻体系について最新実態の解明を目指し、調査・分析を行った。結果として、子音・母音の交替やアクセントについて、通言語的観点を踏まえた理論的な一般化がなされた。また、特に問題とされる、近年観察される発音のゆれや変化について、外来語の影響や語の使用頻度などが関連していることが明らかとなった。全体として、理論言語学に対する新たな知見が得られた。
言語学
学術的意義としては、先行研究で主張されてきた音韻理論に対して、スラヴ諸語の事例から新たな知見を提供し、音韻論研究ひいては理論言語学全体の発展に貢献した点が挙げられる。社会的意義としては、日本では一般に注目度の高くない当該言語に対する研究を通じて、国際理解の向上を図り、多文化共生の基礎形成に貢献した点が挙げられる。特に近年のウクライナ危機を理解する上で、ウクライナ語とロシア語の共通性・多様性は重要な論点の一つである。