• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

フランスにおける古典主義とロマン主義の相克-18世紀文学を補助線として

研究課題

研究課題/領域番号 19K23051
研究機関明治学院大学

研究代表者

鈴木 和彦  明治学院大学, 文学部, 准教授 (90846015)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2024-03-31
キーワードロマン主義
研究実績の概要

昨年度同様、本年度も新型コロナウイルスの影響で予定していた海外調査を行なうことができなかったため、フランス国立図書館のデジタル・アーカイヴGallica等を利用しながら資料調査を継続した。
具体的な研究内容としては、昨年度に行ったロマン派の詩法についての研究を発展させ、フランス・ロマン主義を代表する詩人シャルル・ボードレールと、ロマン主義時代に批評家だけでなく詩人としても活動したサント=ブーヴの詩学の研究を中心的に行った。
ボードレールの詩については、形見=聖遺物(relique)という観点から換喩という修辞技法のもつ喚起力を解き明かした。また、サント=ブーヴの詩は同時代の古典派やロマン派が重視する「偉大さ」に対する批判性を備えており、それゆえ詩の近代化に少なからず寄与したと結論づけることができる。いずれの詩人についての研究も、19世紀に成立をみたフランス近代詩に固有の詩的表現を明らかにするという重要な意義を持つものである。
ボードレール研究に関しては、6月18日に開催された日仏シンポジウム「ボードレール―詩と芸術―芸術照応の魅惑5」にて研究発表を行った(発表題目「形見としての換喩」)。サント=ブーヴ研究に関しては、10月23日に開催された日本フランス語フランス文学会秋季大会のワークショップ「サント=ブーヴィアーナ――作家研究からサント=ブーヴ像を再構築する」にて研究発表を行った(発表題目「サント=ブーヴの詩における批評性について」)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響で、予定していた海外調査を行うことができず、資料調査の方法および調査結果の発表スケジュールを見直す必要が生じたため。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果を礎としつつ、19世紀フランス詩が切り開いた詩的展望の解明を目指す。具体的には、サント=ブーヴ、ボードレールらロマン主義の詩法研究をふまえたうえで、ニザール『フランス文学史』におけるロマン主義批判の要諦を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

今年度は新型コロナウイルスの影響で予定していた海外渡航を行なうことができなかったため当該助成金が発生した。次年度も海外渡航は困難であると思われる場合は、当初計画していた旅費を物品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 形見としての換喩2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木和彦
    • 学会等名
      ボードレール―詩と芸術
  • [学会発表] サント=ブーヴの詩における批評性について2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木和彦
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi