研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、中級程度の英語習熟度をもつ日本人学習者が英語で談話を産出する際に、言語的文脈情報と非言語的(視覚的)文脈情報のどちらをもとにして指示対象の顕著度を測り、指示表現を選択するのかを調査した。絵画説明課題で産出された指示表現の形式(固有名詞・代名詞)を分析した結果、学習者は英語母語話者と同様に、言語的・非言語的情報の両方を用いて指示対象の顕著度を測り、それに見合う指示表現を選択できることが明らかになった。
第二言語習得
学習者の指示表現使用に関する研究では、よく作文やストーリーリテリング課題が用いられる。しかし人によって指示表現産出前の文脈が異なるため、本研究では実験形式で文脈情報をコントロールした。これによって学習者が指示表現の選択時に使用する文脈情報の種類が明確になり、談話産出メカニズムの解明に一歩近づくことができた。また、学習者は談話と文法の情報統合が困難であるとするインターフェイス仮説への反証を示すことで、理論構築にも貢献した。