2024年大河ドラマ「光る君へ」において紫式部が主人公となり、平安時代の生活が注目されている。平安時代、食は文化として認識され儀礼と密接に関わるようになっていった。2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の源流は、平安時代にあるといっても過言ではなかろう。その食を人々がどのように捉えていたかは、歴史書や記録類からはなかなか見出せず、登場人物の行動・心情が密接に連関する文学研究の視点をもってこそ解明し得るものである。さらに受容の面に広げることで、現代との連続性・分断性を見出すことができる。
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