研究課題
本研究課題は,冠詞のない言語の名詞句の統語構造を明らかにすることを目的に,特にロシア語の名詞句を対象に,統語構造と定性・特定性の意味解釈との関係を中心に検討するものである.今年度は,これまで検討してきた具体的な課題に関して,より周辺的な現象も考慮に入れつつ,データを拡充し詳細に検討を加えた.具体的には,名詞句の統語構造について,束縛現象を用いて検討し,特に出来事名詞の統語構造についてはより詳細に束縛や作用域凍結現象を用いてさらなる検討を加えた.また,名詞句内の要素の意味的な特性に関しても検討し,特に数詞と所有代名詞を含む句の解釈については,定性制約,否定属格現象および文内での要素の配列(語順)を用いて詳細に検討を加えた.これらの内容全体および周辺的な研究成果をまとめ,博士論文を執筆した.なお,ロシア語・日本語のパラレルコーパス構築に関して,昨年度具体的に実施できなかったロシア語テキストへのアノテーション付与は一部を実施した.しかしながら,全テキストに対するアノテーション作業は出来ておらず,コーパスは未完成のままである.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Metalanguages for Dissecting Translation Processes: Theoretical Development and Practical Applications
巻: -- ページ: 63--79
10.4324/9781003250852-8
巻: -- ページ: 116--128
10.4324/9781003250852-11
Advances in formal Slavic linguistics 2018
巻: -- ページ: 261--279
10.5281/zenodo.5483110