本研究の目的は、南琉球・多良間方言の習得に有用な学習コンテンツを作成を試みることであった。研究初年度は多良間島における学習ニーズの調査を実施し、コミュニティメンバーの意識と行動に乖離が見られる、という現状を確認した。また琉球語圏における継承活動の先行事例として沖永良部島の活動を取り上げ、その分析と考察を発表、論文としてまとめた。 だが翌年からはCOVID-19の影響により調査が行えず、研究期間も2回延長した。調査不可の期間は先行研究の収集とその分析等に努め、地域での活用を主眼とした言語学習コンテンツ(「しまことば絵本」)も作成した。絵本は島内の各教育機関へ寄贈し、また刊行イベントも実施した。
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