研究課題/領域番号 |
19K23118
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
戸根 比呂子 金沢学院大学, 文学部, 講師 (10846710)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 玉類 / 碧玉 / 原産地 / 弥生時代 / 古墳時代 |
研究実績の概要 |
本研究は、弥生・古墳時代における石製玉類の生産に関して、原石産地調査、玉造遺跡・墳墓出土資料の調査を行う。これにより、原石産地のどの地点で石材を採取しているのか、どのように採取しているのか、時期によって採取地点・方法に変化はあるのか、これらは地域によって違いがあるのか、等を確認し、玉類の生産体系や歴史的社会的背景を明らかにすることを目的としている。併せて、遺跡としての原石産地のさらなる調査方法や課題、地域資源としての保存と活用を視野に入れた展望を明らかにする。研究対象は、石川県滝ヶ原碧玉原産地遺跡、島根県花仙山、新潟県猿八など、各地の原石産地としている。中でも、地元である石川県滝が原碧玉原産地遺跡の現地状況確認を先行して行うことで、その後の他地域との比較検討へつなげたいと考えた。 令和元年度は、滝ヶ原碧玉原産地遺跡の現地確認を行ったほか、石川県埋蔵文化財センターにおいて、八日市地方遺跡出土資料の調査を進めた。また、北陸地方における碧玉原産地に関する近年の研究動向を整理し、原産地遺跡調査の必要性など、研究の目的をさらに明確化することができた。 研究の成果の一部は、「北陸における弥生時代の玉研究」(『考古学ジャーナル』739号)で報告した。また、日本考古学協会2020年度金沢大会に向けた準備会において口頭発表を行ったほか、同研究大会当日において口頭発表を行う予定である(今後、延期又は誌上発表へ変更等の可能性あり)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地元石川県内において、滝ヶ原碧玉原産地遺跡の現地確認、資料調査などを計画通りに進めることができた。また、研究の経過について口頭発表の場を得たことで、問題点等の指摘も受けることができた。 一方、年度末に計画していた県外での現地踏査や資料調査は、感染症の蔓延により実施が困難となり、次年度に改めて計画することとした。 感染症の蔓延は不測の事態ながらも、計画を延期することとなった事実を踏まえ、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
滝ヶ原碧玉原産地遺跡の現地踏査を継続し、遺跡の現状把握をさらに進めていく。また、令和元年度に実施できなかった、石川県外(島根県・新潟県)での現地踏査や資料調査も実施したい。 ただし、感染症の蔓延状況によっては、石川県内や周辺地域での調査を重点的に行うなど、状況を見極めつつ、柔軟な対応を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺跡の現地調査や資料調査を実施するための旅費を見込んでいたが、感染症蔓延により調査が実施できず、旅費が減額となった。令和2年度に調査のための旅費として使用する計画であるが、情勢を見極めつつ、地元石川県内での調査を進めるなど柔軟な対応を検討する。
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