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2019 年度 実施状況報告書

19世紀末アメリカ南部における人種隔離教育問題と黒人市民運動

研究課題

研究課題/領域番号 19K23121
研究機関同志社大学

研究代表者

山中 美潮  同志社大学, アメリカ研究所, 助教 (70844091)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードアメリカ合衆国 / 黒人史 / 市民運動 / 教育 / 人種隔離 / 再建期 / 公立学校
研究実績の概要

本研究は、南北戦争および奴隷制廃止後のアメリカ合衆国南部における公立学校人種隔離反対運動を黒人の視点と経験から検討するものである。特に、人種隔離が学校の運営方針として南部各地に広まった過程と、黒人がどのような教育理念を掲げ、人種の不平等に抵抗したのか注目する。教育隔離と黒人市民運動の連関を考察するため、本研究は(1)ルイジアナ州、(2)ノースカロライナ州、(3)サウスカロライナ州、(4)ワシントンD.C.の各事例を取り上げる。
2019年度は研究課題の本格的検討にとりかかる準備として、二次文献の収集及び日本からアクセス可能なオンライン・データベースを中心に一次史料の収集を行った。まずはアメリカ南部の教育・黒人史の精読結果であるが、教育史分野では学校の人種隔離があくまで自明の制度として論じられており、人種による施設間の不平等を指摘するものは数多くあれど、「隔離」制度の起源そのものに疑問を呈するものが少ないことが判明した。同時に、黒人コミュニティに焦点を当てた研究は、共同体内での教育支援に重点を置いているため、各地で起こった市民運動に対する包括的視点に欠けていた。これらの二次文献の調査から、「隔離」を南北戦争後の教育問題の根幹に据え、かつ各地の黒人市民運動を総合的に検討する必要性がより明らかになった。
この結果を元に、オンライン・データベースを利用した史料収集も開始した。特に新聞を中心に教育隔離問題に関する記事の収集をしており、各地域の市民運動の特徴、類似性だけでなく、論点の変遷が比較検討できるよう史料の整理をしている。しかし、新型コロナウイルス感染拡大を受け、年度末に予定していたルイジアナ州ニューオーリンズ大学やサウスカロライナ州サウスカロライナ大学での現地調査を断念せざるを得なかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度の研究進捗状況を(3)やや遅れている、としたのは新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、年度末に予定していた現地調査(ルイジアナ州・サウスカロライナ州)を実行できなかったためである。このため必要史料を検討することができず、計画していた論文執筆に支障が出ている。そこで今後はオンラインで得られる史料を中心に論文執筆が可能か検討しながら注意深く研究を進めていきたい。

今後の研究の推進方策

2020年度は、新型コロナウイルスの世界的流行状況にもよるが、渡航が可能になれば夏季・春季休暇を利用して、ルイジアナ州・サウスカロライナ州・ノースカロライナ州・ワシントンD.C.にて現地調査を行い必要史料の収集を行いたい。また現地の史料館と連絡を密にし、訪問が不可能な場合でも、史料複写サービスの利用やデータベースへのアクセス許可が得られるか交渉し、可能な限り史料収集に努めたい。各地で学会の延期・中止が続いているため研究成果の発表機会も限られているが、オンライン開催を計画している学会などへの参加を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、アメリカの各地史料館における現地調査が不可能になったためである。今後の感染状況を注視し、現地調査を再計画する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Race and Freedom in the Post-Civil War American South: The Debate over Public Education2021

    • 著者名/発表者名
      山中美潮
    • 学会等名
      Transcultural Encounters 3: Debate! Language, Culture and Information in Interaction, Conference at the University of Oulu, Finland
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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