研究課題/領域番号 |
19K23121
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
山中 美潮 同志社大学, アメリカ研究所, 助教 (70844091)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | アメリカ合衆国 / 黒人史 / 市民運動 / 教育 / 人種隔離 / 再建期 / 公立学校 |
研究実績の概要 |
本研究は、南北戦争および奴隷制廃止後のアメリカ合衆国南部における公立学校を巡る人種隔離反対運動を黒人の視点と経験から検討する。2020年度は、2019年度に行ったオンライン調査や二次文献の整理作業から、調査対象である四地域(ルイジアナ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ワシントンD.C.)の各史料館で調査を行う予定であった。しかしアメリカでの新型コロナウイルス感染症拡大や史料館閉館のため現地に赴くことができなかった。 そのため本年度は継続してオンラインで入手可能な史料を中心に検討を重ねた。特に有用であったのは、ルイジアナ州立大学の"Free People of Color in Louisiana"デジタル・コレクション及びルイジアナ・デジタル・ライブラリーであった。どちらのデジタル・コレクションも当地で再建期公立学校の脱隔離運動を主導した自由黒人に関する書簡や手稿などの記録を有しており、個人の経歴を調査するのに有効であった。また、ワシントンD.C.エリアの19世紀末期の黒人新聞The Washington Bee紙やThe People's Advocate紙もデジタル化されており閲覧することができた。サウス・カロライナ州に関しては、サウスカロライナ大学の"Reconstruction Records"コレクション、ノースカロライナ州の公立学校データは解放民局のコレクションをあたり隔離に関する論争を調査した。しかしどの地域も一部コレクションを除き大部分はデジタル化されておらず、研究継続のためには引き続き史料館を訪問する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究進捗状況を(4)遅れている、としたのは新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、現地調査が全く実行できなかったためである。このため必要史料を検討することができなかった。更に学会や研究会もキャンセルされるなどの影響が出ている。オンラインで閲覧できる史料にも限界があるため調査方法の変更を迫られている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の状況にもよるが、できるだけ現地調査を行いたい。また、オンライン学会・研究会への参加を検討、現時点で入手できた史料から論文執筆ができるか再検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延のため、予定していた現地史料調査が不可能になったため。次年度は感染状況にもよるが、可能であれば予定していた現地調査を行い、引き続き二次文献、オンライン史料収集のために助成金を利用する。
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