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2020 年度 実績報告書

ナイジェリアの臨床試験におけるネットワークと知識の生産過程に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23136
研究機関東洋学園大学

研究代表者

玉井 隆  東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 講師 (40845129)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード医療人類学 / ナイジェリア / 病院 / 市民社会
研究実績の概要

本研究2年目(最終年度)は、当初の予定では夏期・春期に計2度のフィールド調査をナイジェリアで行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い断念せざるを得なかった。そのため本年度(2020年度)は文献レビューと執筆を中心に行うこととなった。その結果以下2点が明らかとなった。
まず病院を対象としたナイジェリアの生物医療をめぐる医療人類学的研究について、感染症を対象としたものは現在でも蓄積があるが、都市部の非感染症疾患(慢性疾患、精神保健ケア)を対象としたものは限られていた。とりわけ精神保健分野における調査は歴史学における蓄積は多数あるが、民族誌的研究は限られている。この点について前年度のフィールド調査において報告者はナイジェリア・ラゴス大学付属病院関係者と問題意識を共有し調査準備を終えており、今後フィールド調査が可能になり次第すぐに詳細な研究を開始することができる。
次にアフリカを対象とした医学研究に関する文献を広範に渡り詳細に検討したところ、特に代表的な事例となるHIV/AIDSに関して、HIV/AIDSに関する医学研究が促進され、かつその研究成果がアフリカの臨床に応用されるために、市民社会組織(NGO等)のアドボカシー活動が有効であった可能性が明らかとなった。これまでHIV/AIDSとNGOをめぐっては、アフリカ諸国における人びとの治療薬へのアクセスを獲得するための当事者のグローバルな運動は多く議論されてきた。しかし医学研究(臨床試験)とアドボカシーの関係を具体的に検討した成果は多くない。この背景には、医学研究を実質的に担う先進諸国とその製薬企業にとって、当時のHIV/AIDSは、今日問題となっている新型コロナウイルス感染症ほどには切実な問題とは認識されていなかったことがある。この点に関する調査成果については現在原稿を準備しているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] ナイジェリアにおけるCOVID-19の経験―ロックダウン下において生起する暴力―2021

    • 著者名/発表者名
      玉井隆
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 59 ページ: 28-41

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 水上スラムから眺めるナイジェリア2020

    • 著者名/発表者名
      玉井隆
    • 雑誌名

      地理

      巻: 7月号 ページ: 101-107

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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