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2021 年度 実施状況報告書

現代ルワンダにおける暴力の記憶の分有と継承に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23141
研究機関京都大学

研究代表者

近藤 有希子  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (10847148)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2023-03-31
キーワード虐殺記念館
研究実績の概要

本研究の目的は、現代ルワンダにおいて、紛争と虐殺に関わる個別の特異な体験とその記憶が、親密な他者とのあいだに分有され、さらにそれが若い世代の者たちに継承されていく姿を民族誌的な記述を重ねるなかで検討することである。
令和3年度には、令和2年度に実施することができなかった「大人世代の個別の記憶」「若者世代の『体験』の継承」に関わる現地調査を遂行するための渡航を待望したものの、令和元年度にひきつづき、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行による影響でその機会は得られなかった。したがって、日本や南アジアなどの他地域において極限状況下の記憶に関する研究をおこなっている研究者とともに、国内にある博物館や資料館等を訪問するなかで、情報収集と相互の問題関心についての意見交換をおこなった。なお、インターネット環境にあるルワンダ人の調査協力者には、一部、メールによる補足情報の聞き取りをおこなった。
研究成果の公開としては、アフリカの紛争と歴史に関する研究会、および東南アジアの身体と共生的関係に関する研究会において、招待講演をおこなった。また令和3年度中には未刊行であるものの、ジェンダーから見直す世界史に関わる解説本や、集団的暴力の社会史についての英文学術書へ原稿を寄せた。アウトリーチ活動として、学部新入生向けのイベントにおいて自身の研究紹介をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の世界的な流行による影響で、令和3年度もルワンダでの現地調査が実現できず、研究に必要な資料が手に入っていないため。

今後の研究の推進方策

令和4年度については、ルワンダやその周辺地域、および日本国内の新型コロナウィルス感染症の状況に注視しながら、もしルワンダでの現地調査に従事することができる場合には、令和4年度後半を目途に現地調査に従事する。ルワンダへの渡航が難しい状況がつづく場合には、これまでに収集した調査資料のうち、未整理のものに関する分析をすすめる。それらを学術雑誌における論文や書籍の一部を構成する論文として出版するための執筆をおこない、関連する学会や研究会などで口頭発表をおこなって成果の公表に努める。

次年度使用額が生じた理由

令和3年度に実施予定であったルワンダやその周辺地域での現地調査が、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行による海外渡航の自粛で実施できなかったため。令和4年度に渡航が可能である場合には、現地調査の期間を増やして調査旅費として用いる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [国際共同研究] University of Bern(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      University of Bern
  • [学会発表] 彼女たちの慟哭ールワンダ農村社会にいて情動が切り拓く道徳的秩序の再編成ー2022

    • 著者名/発表者名
      近藤有希子
    • 学会等名
      共同研究「共生的関係の発露をめぐる地域間比較研究ー東南アジアの境界域および紛争経験社会における移民・難民と身体に着目してー」研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] アフリカの紛争後社会を生きる2021

    • 著者名/発表者名
      近藤有希子
    • 学会等名
      京大生協X-academy2021第1回企画「大学との出逢い」
    • 招待講演
  • [学会発表] 未完の「和解」ールワンダ農村社会にみる情動が切り拓く道徳的秩序の再編成ー2021

    • 著者名/発表者名
      近藤有希子
    • 学会等名
      研究会「紛争後社会の葛藤と沈黙ールワンダとウガンダにおける和解の可能性ー」
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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