本研究では、一般的な審査基準の1つである「合理性の基準」の適用方法を分析した。まず、合理性の基準には、「最低限の合理性の基準」と「かみつく力をもった合理性の基準」の2種類があるというアメリカの学説における構想に着目して検討を行い、「最低限の合理性の基準」と「かみつく力をもった合理性の基準」の実体論的な相違が、利益衡量の有無にあることを明らかにした。 次に、合理性の基準が適用される場合に訴訟当事者がどのような論証活動を行うべきかという問題に関連して、「合憲性推定」についても若干の検討を加え、「合憲性推定」のもつ意味を整理した。
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