本研究は、人格属性である肖像が商業的に利用される際に、肖像本人・肖像利用者間において締結される契約を検討対象とし、そのような契約に及ぶべき規律の内容をフランス法との比較法研究の手法によって考察したものである。その上で、(1)肖像の利用方法の特定及び肖像本人に支払われる対価の決定方法の2点につき、契約一般に及ぶ規律よりも踏み込んだ規律を及ぼすべきであること、(2)その規律は有名な人物の肖像利用を目的とする契約のみならず、知名度を有さない人物の肖像を商業的に利用する契約についても及ぶべきであることを私見として示した。
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