2年目にあたる2020年度は、前年度に引き続いて、1923年に実施されたリトアニア全国国勢調査の結果と両大戦間期に行われた国政選挙(1926年までに4回実施)の投開票結果のデジタルデータ化に取り組み、完了させた。また、人口統計(1927年から1938年まで毎年実施)についても、デジタルデータ化に取り組んだ。 リトアニア国立中央文書館(LCVA)やリトアニア・マルティーナス・マジュヴィーダス国立図書館(LNMMB)などで1925年に実施されたクライペダ地方国勢調査に関する資料などを収集する予定であったが、これについては2020年度も中止せざるをえなかった。当該資料の収集とデジタルデータ化については、今後の課題としたい。 2020年8月にカナダ・モントリオールで開催される予定だった第10回 International Council for Central and East European Studies (ICCEES) 世界大会にて本研究の成果を発表する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により世界大会が1年延期となった。そのため、この世界大会には2021年度に参加する予定である。 2020年度は、当時のリトアニアの政治思想に関する査読論文を発表し、一般書(分担執筆)に当時のリトアニアの少数民族問題に関する論考を掲載した。また、ワークショップなどの機会で当時の反ユダヤ主義に関する口頭発表やカトリック民主主義に関する口頭発表を行った。いずれにおいても、民族問題・政党政治・社会構造などに関するデータを援用するなど、本科研で得られたデータの一部を用いた。
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