研究課題/領域番号 |
19K23171
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
庄司 貴由 三重大学, 教養教育院, 特任講師(教育担当) (80849042)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 連立政権 / 細川護熙 / 外務省 / 政党 / 「二つのD」 / PKO / エルサルバドル / 五五年体制 |
研究実績の概要 |
2020年度は、概ね次の三点で研究活動を進めてきた。 まず、学術論文の刊行である。論文「エルサルバドルPKO派遣への道程」が、日本政治学会編『年報政治学』に掲載されるに至った。同論文では、国連エルサルバドル監視団(ONUSAL)参加への道がいかにして整えられたのかを、外務省内の試行錯誤に着目しながら歴史的アプローチで明らかにした。また、この過程では、エルサルバドル後のPKO政策に係る未公刊文書も偶然入手することとなった。今後は、それらも分析に組み込み、村山政権期の取り組みを歴史的に検討していく予定である。 次に、共編著の刊行である。具体的には、共編著『外交回想録 竹下外交・ペルー日本大使公邸占拠事件・朝鮮半島問題』を出版した。寺田輝介大使(元外務省中南米局長)へのインタビューから、五五年体制崩壊前後の中南米政策「二つのD」(Democracy and Development)のなかで、エルサルバドルがどのような位置づけを与えられてきたのかが浮き彫りとなった。 そして最後に、史資料の渉猟である。コロナ禍が深まるなか、三重大学附属図書館、近隣の公立図書館などに所蔵されていない書籍、論文、回顧録、オーラル・ヒストリーを幅広に揃えてきた。前年度同様に、情報公開請求、特定歴史公文書等利用請求(外務省外交史料館)を行いながら、国内外の一次史料をさらに取得するよう努めているところである。こうした一連の作業によって、前年度以上に研究基盤が充実するに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定にはなかったが、前年度に続き学会誌に論文1本が掲載された。また、共編著も出版に至っている。コロナ禍で研究出張が困難だったにもかかわらず、計画以上の成果に恵まれたため、上記区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス、および緊急事態宣言などの状況に鑑み、次の諸点を軸に今後の研究を推進していきたい。 (1)日米両国の新開示文書をさらに読み込みながら、今後どのような文書が必要なのかを確認する。 (2)学術論文等の執筆を進めるとともに、口頭発表の準備も実施する。 (3)新型コロナウイルスをめぐる状況が改善され次第、政府関係者へのインタビュー、およびフィールドワークも随時実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延などに伴い、当初計画されていた出張が全て自粛・延期を余儀なくされている。それゆえ、数回分の経費が残った。状況が改善され次第、速やかに国会図書館、外務省外交史料館などでの資料調査を再開する。また、研究会などへの出席も重ね、研究内容の質的向上も図る。
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