研究課題/領域番号 |
19K23183
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
松本 浩延 同志社大学, 法学部, 助教 (30844089)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | リーダーシップ / 日本社会党 / 政党政治 / 五五年体制 / 日本政治史 |
研究実績の概要 |
本年度は日本国内での新規史料の調査および収集ならびに翻刻作業を中心に行った。 まず、国立国会図書館東京本館憲政資料室が保有する史料について述べる。同資料室の保有する史料としては、『浅沼稲次郎関係文書その1』および『浅沼稲次郎関係文書その2』を主たる対象として調査を行い、収集史料の翻刻を進めた。また、2019年10月には『浅沼稲次郎関係文書その3』が新規に公開され閲覧が可能となったため『浅沼文書その1』、『浅沼文書その2』と関連すると思しき史料を手始めに調査を開始した。『浅沼文書その3』は、従前の2つの史料群と同様に量・質とも高い水準にある史料群であるため、今後の国内での史料調査は、本史料を対象として重点的に行う予定である。 他の機関が保有する史料としては、法政大学大原社会問題研究所が有する『鈴木茂三郎文庫』の史料調査を継続して行った。さらに同機関の保有する戦前期の無産政党関連史料である『棚橋小虎日記』の一部を撮影する作業も行った。 上記2機関の保有する史料に対する調査・収集・翻刻作業は、今後も継続して行う予定である。 これらの調査結果を総合し、筆者の所属する同志社大学人文科学研究所において、中間的な研究発表を2回行った。また、発掘した新規史料の翻刻・突合を行うための研究会も2020年2月に1度主催した。 以上の調査結果については、学術論文および史料紹介の形式で2020年度中にその一部を発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内での史料調査は予想外に進展したため、この部分については「(1)当初の計画以上に進展している」と評価できる。ただし、米国での史料調査が予定通り進んでいないほか、当初予定していた研究協力者を雇用しての資料整理も予定通り実行できていないため、研究計画全体の進捗状況については「(3)やや遅れている」とした。 この主たる原因は、2019年度末の新型コロナウイルス感染症の発生およびその感染拡大にある。国内外での感染拡大とそれに伴う渡航制限の発令により、2019年度中に予定していた米国での史料調査は断念せざるを得なかった。また、教員や大学院生らの大学への出校も厳しく制限されたため、年度末に予定していた大学院生を雇用しての資料整理も断念せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
国内での史料調査については、当初の計画以上に進展しているため、2019年度の同様に継続して行う。ただし、現時点(2020年5月)では東京への調査を延期せざるを得ない状態が続いている。今後も、政府による緊急事態宣言などが発令された場合、国内での史料調査も満足に行えない状況に陥る可能性は念頭におかねばならない。また、海外での史料調査についても同様である。渡航制限が続くようであれば、米国その他での史料調査の代替として国内での史料調査へ重心をシフトさせることも検討中である。 いずれにしても、継続した史料調査の実施が不可能となった場合は、現時点で保有している史料を基にして研究を進めることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主たる原因は、2019年度末の新型コロナウイルス感染症の発生およびその感染拡大にある。国内外での感染拡大とそれに伴う渡航制限の発令により、2019年度中に予定していた米国での史料調査は断念せざるを得なかった。また、教員や大学院生らの大学への出校も厳しく制限されたため、大学院生を雇用しての資料整理も断念せざるを得なかった。以上の経緯により、旅費および人件費の執行額が減少したため、次年度使用額が生じた。 使用計画についてであるが、次年度使用額(B-A)については、マイクロフィルム史料の複写・作成費(その他)及び史料調査の旅費に使用する予定である。また、当該年度の所要額(B)についても同様に、史料の取り寄せ及び史料調査を行う旅費を主に使用する。 いずれにしても、政府による緊急事態宣言および渡航制限の解除ならびに筆者の所属機関の指示等を総合的に判断し、都道府県をまたぐ史料調査を行うことが可能であると判断した時点で当初の計画通りに執行する予定である。
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