研究課題/領域番号 |
19K23183
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
松本 浩延 同志社大学, 法学部, 助教 (30844089)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 日本社会党 / 浅沼稲次郎 / 政治指導 |
研究実績の概要 |
史料調査については、国立国会図書館や東京都議会図書館等の所蔵資料を調査し、新史料の発掘や翻刻作業を進めた。なかでも都議会図書館での議事速記録に対する調査によって、これまでまったく知られてこなかった東京市会議員としての浅沼の側面について、研究が大幅に進展した。なお、今年度もひきつづき、新型コロナウイルス感染症の拡大により、研究計画において予定していた海外での史料調査が困難となったため、国内での史料調査を中心に進めた。 以上の史料調査の結果を基にした研究成果の一部については、資料紹介の形式で『同志社法学』に投稿し、2021年5月刊行の第419号に「浅沼稲次郎『列国議会同盟派遣団 訪米・訪欧日記 : 1939年6月30日~10月2日』翻刻と解題」として掲載された。 また、2021年5月には、上記研究成果に対する読売新聞社からの取材をうけ、研究成果の対外発信と社会還元とを行った。これは「浅沼稲次郎 欧米視察日記 第2次大戦勃発 冷静な視点で」(『読売新聞』東京夕刊6頁、2021年5月29日)および「浅沼稲次郎の欧州視察日記 第二次世界大戦下 冷静な視点で描く」(『読売新聞』大阪夕刊6頁、2021年6月3日)として、新聞記事の形で掲載・紹介された。 さらに、本研究で得られた知見をもとにして、テレビ大阪株式会社に対して取材協力を行った。これは「衆議院解散 総選挙へ! 解散なのに万歳三唱のなぜ」(テレビ大阪『やさしいニュース』、2021年10月14日)として放映された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内での史料調査は進展したため、この部分については「(2)おおむね順調に進展している」と評価できる。ただし、米国での史料調査が予定通り進んでいないほか、当初予定していた研究協力者を雇用しての資料整理も予定通り実行できていないため、研究計画全体の進捗状況については「(3)やや遅れている」とした。 この主たる原因は、新型コロナウイルス感染症の発生およびその感染拡大にある。国内外での感染拡大とそれに伴う渡航制限の発令により、予定していた米国での史料調査は再び延期せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大を理由として、研究期間の1年度再延長を申請した。史料調査については感染状況を注視しつつ適宜行うが、必要最小限にとどめ、現在保有・発見した史料の翻刻や公刊と、それらに基づいた学術論文の執筆に集中する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度において新型コロナウイルス感染症の感染拡大および政府による緊急事態宣言の発出、ならびに海外への渡航制限により、史料調査を行うことが著しく困難であったため。渡航制限の緩和を含めた状況を注視しつつ、引き続き国内を中心に史料調査を行う予定である。
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備考 |
「無産政党政治家は第二次世界大戦の勃発をどう見たか――浅沼稲次郎「IPU派遣団訪米・訪欧日記」を中心に」 (マチカネ政治史研究会〔大阪大学政治史研究会〕2021年6月13日)
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