研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、主として国内の所蔵史料を渉猟しながら、戦後日本社会党の指導者である浅沼稲次郎の政治指導を実証的に分析した。史料調査の結果、戦前期の無産政党政治家時代の浅沼の政治的人格が明らかになっている本邦初の日記の翻刻・公開を行うことができた。また、戦後期の政治指導を形作っていた政治的状況としての「憲政の常道」の重要性に対する検討も行った。さらに、研究成果を基にして研究成果の対外発信をマス・メディアを通じて行った。
日本政治史
野党指導者に対する政治史研究は、与党指導者のそれと対比して遅れをとってきた。それは本研究が対象とする浅沼稲次郎(1898~1960年)に関しても同様であり、浅沼自身を対象とした研究は、筆者による研究の他にはこれまで存在していなかった。本研究の成果には、研究の欠を埋めた点での学術的意義が存在する。さらに、本研究の成果の一部を新聞、テレビ、ネットメディアで発信できた点には一定の社会的意義が存在する。