研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、効用最大化モデルに基づくデータ分析手法の妥当性および限界を明らかにし、個人の選好や行動の異質性を測定するための手法を検討した。まず、顕示選好理論に基づくノンパラメトリックな分析手法について、シミュレーション分析により、選好や行動の異質性を分析する上での限界を明らかにした。また、当初の計画とは異るが、金銭の分配に関する選好を調査するためのパラメトリックな効用関数モデルについて研究し、個人の異質性を分析する上でより適切な統計モデルを提案した。
経済学
効用最大化モデルにもとづくデータ分析手法は、金銭の分配といった社会的な選択行動や不確実性のある状況における選択行動、時間を通じた選択行動といった様々な文脈で用いられる基本的な手法である。しかし、これらの手法が個人の選好や行動の異質性を分析するための手法として妥当なものであるかどうかを評価した研究は少ない。本研究は、従来から用いられている分析手法の限界を指摘し、より適切な手法を提案した。個人の選好や行動を理解するための基礎的な貢献であり、意義のある研究成果といえる。