研究課題/領域番号 |
19K23198
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
宮下 春樹 城西大学, 経済学部, 助教 (90848459)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 共同利用資源(CPR)ゲーム / 選好進化モデル / 間接進化アプローチ / プレイヤーの費用負担感 / 共有地(コモンズ)の悲劇 / 対戦人数の不確実性 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、選好進化モデルに基づいて共同利用資源ゲームのプレイヤー集団に定着する費用負担感を分析することである。プレイヤーの対戦人数の大きさがこの費用負担感の下での均衡総労働量に与える影響を検証した。プレイヤー集団の人数が大きくなると進化的安定性を持つ限界費用は大きくなり、客観的な限界費用の水準に近づくことを示した。また、進化的安定性を持つ限界費用の下での均衡総労働量は、ナッシュ均衡の下での均衡総労働量を上回り、深刻な共有地(コモンズ)の悲劇が生じることを確かめた。さらに研究の途中で対戦人数が不確実な共同利用資源ゲームにおいては、共有地の悲劇が回避される可能性があることを見出した。
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自由記述の分野 |
ゲーム理論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
選好進化モデルを用いた研究は、日本国内の研究者の間では認知度が低かった。また、選好進化モデルの枠組みで共同利用資源の過剰利用を分析した先行研究もなかった。本研究は、選好進化モデルの枠組みで資源の過剰利用が生じることを示した。これは、既存の進化ゲーム理論の文脈でよく知られた結果と類似しており、ゲーム理論の研究に新しい知見を提供した。さらに本研究の示した対戦人数の不確実性が資源の過剰利用を防ぐという結果は、自然資源や地域における森林などの共同利用資源の消失を防ぐための政策に示唆を与えると思われる。今後も対戦人数の大きさがプレイヤーの費用負担感に与える影響に焦点を当て研究を深めていきたい。
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