研究課題/領域番号 |
19K23199
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
脇 雄一郎 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (20845101)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | マクロ経済学 |
研究実績の概要 |
本研究では,家計の異質性、家計債務、産業連関、そして労働市場の摩擦を含めた,ニュー・ケインジアン・モデルと呼ばれるマクロ経済モデルによる政策分析を研究目標としている.
2021年度においては,単著論文”A cautionary note on linear aggregation in macroeconomic models under the RINCE preferences”の改訂を行い,2021年10月にJournal of Macroeconomics誌に投稿,最終的に2022年3月にJournal of Macroeconomics誌に採択された(査読あり).本論文は,2019年度報告書にて記載したワーキング・ペーパー“RINCE preferences: a comment”を大幅に加筆・改訂したものである.2021年度に行った改訂・加筆部分では,家計の異質性および労働市場の摩擦のあるモデルを用いて新たなシミュレーション分析を行ない,家計の債務限度額を考慮することの重要性を示した.
また,2021年度には,単著論文”Commitment vs. Flexibility in a New Keynesian Model: Using a History-dependent Inflation Targeting Regime to Mitigate the Stabilization Bias“の草稿を作成し,the 2022 Econometric Society Australasian Meetingおよびthe 2022 Asian Meeting of the Econometric Society in East and South-East Asiaという二つの国際学会へ発表申し込みの投稿を行った.両者とも開催は2022年度であり,前者からはすでに受理されているが,後者は本報告書執筆時点(2022/5/6)でまだ採択・不採択の発表をしていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度において国際学術誌に査読付き論文を1本成果として出せていること,および国際学会の発表に受理されるレベルの論文の草稿を作り上げていることを踏まえると,コロナ禍の影響こそあれ,研究の進捗はおおむね順調であると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に行った”Commitment vs. Flexibility in a New Keynesian Model: Using a History-dependent Inflation Targeting Regime to Mitigate the Stabilization Bias“の研究,および2020年度に行った2タイプの家計が存在するニュー・ケインジアン・モデル(Two-agent New Keynesian model, 通称TANKモデル)についての研究を拡張した上で,結果を学術論文の形にまとめ,それぞれトップの学術誌に投稿するための準備を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
引き続きコロナ禍の影響で,旅費を要する学会・セミナー発表が生じなかったため,旅費が未使用となっている.旅費については,次年度の学会・セミナー発表に,「その他」については,学会発表の登録料,学術誌に投稿する際の投稿料および英文校閲の支出として使用する予定である.
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