本研究は、報酬が温室効果ガス削減のインセンティブとなるかを定量的に明らかにすることを目的とする。都道府県が実施する、事業所の優秀な取り組みを表彰する制度に着眼し、表彰(非金銭的報酬)がCO2排出量を削減するかを回帰分析した。分析の結果、表彰制度を実施している場合、製造業部門のCO2排出量が削減されることがわかった。また、金銭的な報酬(低利子融資を受けられるなど)の付加や、エネルギー監査プログラムと組み合わせることは、必ずしもCO2排出量を削減しない可能性が示唆された。この結果は、温室効果ガス削減を目的として表彰をする場合、非金銭的報酬だけにする方が費用対効果がより高い可能性を示唆する。
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