研究課題/領域番号 |
19K23210
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小林 美月 立命館大学, 経済学部, 准教授 (90757832)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | サプライヤー関係 / サプライヤーの競争力 |
研究実績の概要 |
本研究は、破壊的な状況が起きた時に、どのようなサプライヤーがサバイバルできるのか、という課題に取り組んでいる。例えば、自動車産業において電気自動車が主流になった場合、従来の製品アーキテクチャから、よりモジュラー的なものになり、ソフトウェア関係の部品が増加する一方、ハードウェア関係の部品が減少、あるいは標準品が多くなると仮定した場合、有力なサプライヤーがどのような特徴を持つか、を明らかにしたい。 自動車企業の競争力は、サプライヤーと長期的かつ強固な関係を構築していることにあると数々の研究で明らかにされてきた。有力なサプライヤーは、主要顧客との関係構築に努めながら、顧客や製品の範囲を広げていると観察されてきた。また、日本自動車企業を代表するトヨタの場合、その系列サプライヤーは、系列外のサプライヤーよりパフォーマンスが良いとの報告もある。しかし、これらは、ガソリン自動車分野の知見である。電気自動車分野に関しては、ひとまず、競争が激しい中国電気自動車市場の企業動向を調べることにした。電気自動車の重要部品である電池、電子制御システム、モーターの3つの例を挙げると、上位企業は、①電子制御システムについては、自社の強みとして独自開発に努めていること、②電池については、自社開発のもの、他社と共同開発するもの、他社から調達するものの3パターンがあること、③モーターについては、自社開発のもの、他社から調達するものの2パターンが存在すること、がわかった。 今後は、それぞれの重要部品の中の調達パターンと、ガソリン車分野の重要部品の調達パターンと丁寧に比較することによって、有力なサプライヤーの特徴を明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、日本語論文の校正を行なっており、年度内には、その掲載が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
これからは、国内学会で発表すること、定量分析の論文を英文ジャーナルに投稿することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
・コロナ禍、2人の幼児の育児で、フィールドワークができず、旅費が全く使えなかったため。 ・年度末まで、論文の翻訳や校正、一部業務の外注など、人件費のところで多く費用を使う予定である。
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