研究課題
研究活動スタート支援
本研究では空間統計学モデルとファイナンス統計学モデルの一つであるボラティリティモデルを融合さた時空間ボラティリティモデルの開発を行った。そして、モデル内のパラメーターを推定するための擬似最尤推定量を導出し、その推定量の漸近的性質を数学的に証明した。その後、提案したモデルをシミュレーションデータに応用し、推定量の小標本特性を調べた。最後に実データである株式に開発モデル応用し、金融商品内のショックの波及効果を調べ、時空間相関の存在を明らかにした。
計量経済学
本研究はファイナンス統計学と空間統計学の2つの分野に関連する研究であり、各分野において次の重要な意義をもつ。 ファイナンス統計学の分野では、高次元の多変量ボラティリティモデルが持つ問題である次元の呪いに対する一つの解決法を示す。空間重み行列を用いて時空間ボラティリティモデルを開発することで推定するパラメーターの数を減らし、次元の呪いを解決する。 空間統計学の分野では、新しい視点として、これまで重点がおかれていたデータの平均構造のモデル化に加えて、分散構造のモデル化の重要性を示す。