財・サービスの価格変化は、人々の生活に多大な影響を与える。特に、それらの上昇局面においては、総務省が公表する『消費者物価指数』に対する一般の関心も高まるだろう。ただし、報道等で引用される物価指数は、日本全体を対象としたものがほとんどである。本研究の学術的、あるいは社会的意義は、関連する共同研究とともに、物価の変化には世帯属性による異質性が存在する点を明らかにした点である。栄養格差、最低賃金、年金の議論などのあらゆる場面において、一国全体の物価水準ではなく、よりきめ細やかな物価水準で人々の厚生を評価する重要性が示唆された。
|