研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、生産性向上を通じて地域間で企業が競争して労働者を取り合っている状況を主に考えた。具体的には、企業の労働者の能力の活用が不十分なとき、地域の企業の経営者が大学などで費用をかけて能力の活用法を学習し、活用の確率を上げる生産性向上競争である。そこでは、学習量の決定に地域間の相互作用が存在し、そういった学習が地域の生産性を上昇させる効果をもつ一方で、それによる高賃金が学習費用を増大させ、学習量を減らす効果も存在することを明らかにした。
空間経済学
学術的には、解析が難しいために従来顧みられることの少なかった、地域間移動の要因としての、能力の情報の非対称性について一定度明らかにしたことが意義である。社会的には、地域における大学の役割の一つとして、従来の知識や技能を習得させるだけでなく、それらを活用させるために、地域の経営者に対して知識や技能の活用や評価の方法も教えるという役割を明確にした点が意義である。