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2020 年度 実施状況報告書

オルタナティブ・データを利用した資産運用の高度化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23234
研究機関早稲田大学

研究代表者

五島 圭一  早稲田大学, 商学学術院, 講師(任期付) (10843956)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワード自然言語処理 / テキストデータ / インフレ予測 / 有価証券報告書 / MD&A
研究実績の概要

令和2年度は、新たに新聞記事データと有価証券報告書のテキストデータを取得し、マクロ経済指標や企業の財務指標の予測に関する実証分析を行った。令和元年度は資産価格変動や流動性等のマーケットに関する指標の予測や分析を試みたが、令和2年度はさらに範囲を広げ、マクロ経済指標や企業の財務指標等の資産運用の意思決定に重要な関連指標の予測を通じて、オルタナティブデータの有用性を検証した。具体的には、主に以下の2点の研究成果を得られた。
1)1989年10月~2017年12月の約28年分の新聞記事データに対して自然言語処理を用いて数値化し、日次で集計することで日々の景気の捕捉が可能なニュース指数を構築した。そして、構築したニュース指数を用いて、フィリップス曲線モデルを推定することで日次のインフレ率を予測した。その結果、将来の経済状況に関する話題から構築されたニュース指標は、日本のインフレ率の予測に有効であることが示された。
2)有価証券報告書の「企業の経営方針・経営戦略や経営者による経営成績の分析(MD&A)」に含まれるテキスト情報の定量化を通じて、経営者によって開示された将来見通しが、将来の企業業績に対する予測力を有することを明らかにした。これは、経営者が自主的に将来見通しを開示する媒体として、MD&Aが一定の役割を果たしていることを示している。また、同予測力については、業種による差異が確認されたほか、売上高の小さい企業ほど高くなる傾向も見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

テキストデータを中心に実証分析を行い、研究成果をまとめた論文が査読付学術誌に3本掲載された。一方で、Covid-19の影響により研究教育活動のオンライン環境を整えるために工数を割いたため、一部研究成果の報告が本研究課題の補助事業期間内に間に合わなかった。

今後の研究の推進方策

本研究課題は研究期間を1年間延長して、来年度も行うことになった。ただし、現段階で大枠のデータ分析は終えており、細部の追加分析を行い、研究成果を論文としてまとめて、学術誌への掲載を目指す。

次年度使用額が生じた理由

理由:Covid-19の影響により、参加予定だった学会に一部参加ができなかったのに加え、研究教育活動のオンライン環境を整えるために工数を割いたため、一部研究成果の報告が間に合わなかった。そのため、主に研究成果発表に係る研究費について次年度使用額が生じている。
使用計画:本研究課題の補助事業期間の最終年度となるため、主に研究成果の発表及びとりまとめの実施に使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Controlling contents in data-to-document generation with human-designed topic labels2021

    • 著者名/発表者名
      Aoki Kasumi, Miyazawa Akira, Ishigaki Tatsuya, Aoki Tatsuya, Noji Hiroshi, Goshima Keiichi, Takamura Hiroya, Miyao Yusuke, Kobayashi Ichiro
    • 雑誌名

      Computer Speech & Language

      巻: 66 ページ: 101154

    • DOI

      10.1016/j.csl.2020.101154

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Forecasting Japanese inflation with a news-based leading indicator of economic activities2020

    • 著者名/発表者名
      Goshima Keiichi, Ishijima Hiroshi, Shintani Mototsugu, Yamamoto Hiroki
    • 雑誌名

      Studies in Nonlinear Dynamics & Econometrics

      巻: 0 ページ: 0

    • DOI

      10.1515/snde-2019-0117

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 時系列株価データからの市況コメントの自動生成2020

    • 著者名/発表者名
      村上聡一朗、渡邉亮彦、宮澤彬、五島圭一、柳瀬利彦、高村大也、宮尾祐介
    • 雑誌名

      自然言語処理

      巻: 27(2) ページ: 299-328

    • DOI

      10.5715/jnlp.27.299

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Learning with Contrastive Examples for Data-to-Text Generation2020

    • 著者名/発表者名
      Yui Uehara, Tatsuya Ishigaki, Kasumi Aoki, Hiroshi Noji, Keiichi Goshima, Ichiro Kobayashi, Hiroya Takamura, Yusuke Miyao
    • 学会等名
      The 28th International Conference on Computational Linguistics (COLING2020)
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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