研究課題/領域番号 |
19K23235
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
清水 たくみ 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 准教授(任期付) (30843982)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | オンライン・コミュニティ / オンライン協働 / ネットワーク / ヘルスケア / 新しい組織化原理 / 実践 |
研究実績の概要 |
本研究はデジタル技術発展により生まれた新しい組織化形態であるオンライン・コミュニティに着目し、参加メンバーのオンライン上の協働がいかに組織化されるか、および参加メンバーのオフライン実務にどのようなインパクトを与えるかを明らかにすることを目的としている。本目的をふまえ、2020年度は以下2点を中心に研究を遂行した。まず1点目として研究計画に記載したテーマ1について、昨年度蓄積した定量データに関して、多面的な角度から分析を実施した。メンバー個人レベルのコミュニティ貢献度合いに関する回帰分析、コミュニティ全体のコミュニケーション構造に関するERGM分析、メンバーのインタラクション規定要因を明らかにするSAOM分析などを実施し、論文化を実施した。次に2点目としてテーマ2については、コミュニティ参加メンバーへのインタビューおよびコミュニティ形成の歴史についてデータ収集および分析を実施した。それら定性的なデータの分析を通して、どのようにヘルスケア・オンライン・コミュニティが計画・発生・成長し、その際にどのような経営上の意思決定が行われ、参加メンバーはどのように反応し、最終的に各メンバーがコミュニティ参加から何を得たかについての知見を蓄積した。以上の2点の分析を中心に行うことで、新しい組織化形態であるオンライン・コミュニティの形成原理、コミュニティ運営に関する知見、コミュニティ参加メンバーへの影響等についての示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の提供により、当初の想定から若干の遅れが発生している。大学入構禁止による研究活動の一時停止、学会のキャンセル等による研究交流・発表機会の減少に加え、最大の理由として調査対象がヘルスケア業界であることがあげられる。当該業界は当然ながらCOVID-19対応を第一にせざるを得ないため、予定していた通りのスケジュールで調査を実施することが困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画において記述した2つのテーマに関して、テーマ1は既に分析を終了し、執筆も最終段階にある。2020年度には実施できなかった学会投稿等を2021年度に目指す。テーマ2に関して、2020年度に実施予定だったインタビューを延期せざるを得なかったため、2021年度に改めて実施し、分析および論文化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していた海外出張(学会発表や研究分野の第一人者との討議)がCOVID-19の影響で翌年度へとずれこんだため。それに伴い論文校正費等も翌年度に繰り越す必要が出てきたため。
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