本研究の主な成果は以下の2点である。 (1) 途上国と先進国から構成される通貨同盟モデルを用い、各国の通貨同盟からの離脱の確率まるほど、最適金融政策を実施するためには通貨同盟内における途上国の割合を高くする必要があることを示した。 (2)ある加盟国が通貨同盟から離脱をした場合、外生的な社会的コストを支払う必要があるようなモデルを考えた。退出国は裁量的な金融政策を実行することができるが、Barro and Gordon (1983)のような時間非整合性問題に陥ってしまう。このモデルにおいて、最適な金融政策はどの国も通貨統合から離脱する確率がない場合のみに実行可能であることを示した。
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