研究課題/領域番号 |
19K23241
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
新改 敬英 熊本学園大学, 専門職大学院会計専門職研究科, 講師 (30848825)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | マネジメント・コントロール / 組織の慣性 / コントロール・レバー / 環境適応 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,既存のマネジメント・コントロール・システム(MCS)研究が未だ焦点を当てていない「組織の構造的慣性」の視角を用いることによって,先行研究の大幅な拡張を試み,イノベーションの実現に対してMCSの与える影響が限定的となってしまうメカニズムの一端を解明することである. 2019年度は,国内上場企業のうち,日本国内に本社のある3758社を対象とした質問票調査を行い,その回答結果に対して統計的手法による定量研究を実施した.最終的なサンプルサイズは180件,回収率は4.8%であった.分析の結果,既存理論ならびに先行研究では説明されていない,経営管理上のメカニズムが存在する可能性を明らかにできた. 当該研究成果は,熊本学園大学で開催されたKumamoto Gakuen University & Chonnam National University International Conference 2019において"How Does Organizational Inertia Affect the Relevance between Firm's Management Control and Incremental Innovation?"として発表したほか,西南学院大学で開催された九州会計研究会第204回定例研究会において「マネジメント・コントロールと組織の慣性との関連性 -Simons (1994) の研究成果を手がかりに-」として発表し,活発な議論を行った. また,当該研究発表の内容は,「マネジメント・コントロールが組織の構造的慣性に与える影響についての分析―Simons (1994) をてがかりに―」として,熊本学園大学大学院会計専門職研究科が発行する『会計専門職紀要』への採録が決定している(2020年3月発行).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は統計処理による定量的研究と,インタビュー等による定性的研究から成り立っている.このうち統計処理による定量的研究は概ね終了しているため,上記の区分であると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,質問票調査から判断して逸脱事例と考えられる企業へのインタビューを行うほか,精度を向上させた質問票による調査を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響で,追加の質問票調査ならびに企業インタビューが行えなかったため.
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