研究課題/領域番号 |
19K23241
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
新改 敬英 熊本学園大学, 専門職大学院会計専門職研究科, 准教授 (30848825)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | マネジメント・コントロール / 組織慣性 / コントロール・レバー / 環境適応 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,既存のマネジメント・コントロール・システム(MCS)研究が未だ焦点を当てていない「組織の構造的慣性」の視角を用いることによって,先行研究の大幅な拡張を試み,イノベーションの実現に対してMCSの与える影響が限定的となってしまうメカニズムの一端を解明することである。 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で事例研究や研究発表の機会が制限されたため,2019年度に行った質問票調査の結果について,統計的手法を活用した定量分析を追加で行った。 第1に,組織の変化を阻害する要因とマネジメント・コントロール,組織の業績の関係性について構造方程式モデリングを用いて分析した。当該研究の成果は,「組織変化の阻害要因,マネジメント・コントロールおよび組織パフォーマンスの関係性についての探索的研究」として,熊本学園大学が発行する査読誌『商学論集』に採録された。 第2に,先行研究で明らかにされていた,マネジメント・コントロールが組織慣性の克服に貢献する,という発見事項について,それが常時成立するわけではなく,一定の条件が必要である点を明らかにした。当該研究の成果は,「構造方程式モデリングを用いたマネジメント・コントロールと組織慣性との関連性についての探索的分析」として,管理会計領域のトップジャーナルである牧誠財団(旧メルコ学術振興財団)発行の査読誌『メルコ管理会計研究』に採録が決定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で,インタビューや文献探索など研究活動の一部が制限されているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響でインタビューによる事例研究が制限されるため,統計的手法を活用した実証研究を中心に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響で,出張による企業インタビューが行えなかったため,次年度使用額が発生した。 次年度については,主に統計的手法による研究を行う予定である。次年度使用額については,統計データベースの使用料ならびにデータ分析・整理補助者への報酬に活用する計画である。
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