研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、東日本大震災によって住宅を失った被災者が行った住宅再建をめぐるさまざまな選択を社会構造的要因と当事者の納得構造の2側面からの解明を行おうとしたものである。新型コロナウイルスの感染拡大により現地での新たな聞き取り調査の実施が困難となったため、これまでの調査実績の再分析により以下の知見を得た。
環境社会学、災害と復興の社会学
本研究によって、東日本大震災による津波被害からの人びとの生活の復興過程を分析する新たな分析枠組みを提唱することができた。社会学分野において、災害研究は人命救助や生活支援と言った面では速攻性が見えづらい側面もある。一方で、社会学的に人びとの生活復興過程を分析することによって、社会学分野の災害研究の深化だけではなく、現状の分析からの改善の方向性の示唆や、これまでの復興の評価、今後来る災害における復興政策や制度の改善などに対する基盤的な情報提供に繋げることができたと言える。