本研究は、高齢者介護の場面における、公的サービスと家族の関係を分析した。高齢の親を、子世代の誰が、どのようなパターンで援助するか、また、その選択と公的な介護サービスはどのように関連しているかという点を扱った。分析においては、援助のパターンを「援助なし」「身体的介護を提供」「家事・生活的援助のみ提供」という3つのパターンに分け、どのようなときに、どのパターンの援助のあり方になりやすいかを予測するモデルを推定した。分析の結果、身体的なケアの提供確率に対しては在宅の公的介護サービスの利用が正の相関を持っていたが、家事・生活的援助のみを提供する確率に対しては公的サービスは明確な効果は確認されなかった。
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