研究課題/領域番号 |
19K23252
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
岩舘 豊 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 助教 (50852472)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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キーワード | 労働者文化 / フィールドとしての上映空間 / ビジュアルデータ・アーカイブズ |
研究実績の概要 |
2022年度は、収集したビジュアルデータや文書資料の整理・分析を進めるとともに、質的調査法や文化研究に関する国内の研究会で発表を行い、有益なフィードバックを得ることができた。その成果は、大きく2点である。第1に、労働者文化研究史との接続可能性である。文化研究に関する研究会では、若者たちの労働組合実践が、これまでの国内外の労働者文化研究史と接続することで、その歴史的文脈や文化形成にいたる回路を見出すことができた。これまで同時代的な連関を視野に入れてきた研究であったが、通歴史的な視点を得られたことは、研究の視野が大きく開く機会となった。第2に、質的調査法についての研究会では、映像を上映する場やそこでの相互行為そのもののフィールドであり、上映する場そのものが社会空間として考察の対象となる知見が得られた。映像を上映する場そのものの映像データをどう分析するかという課題が明確になるとともに、今後完成予定のビジュアルエスノグラフィーをどう上映していくか、という探究につながる知見が得られた。以上2つの知見は、それぞれ公刊される書籍へ掲載する見通しとなったことが2022年度の成果である。 また、質的調査法の研究での発表からは、研究が終わった後にビジュアルデータをどう後世に残していくのかについても議論を深めることができた。最終年度を迎えるにあたり、ビジュアル調査資料の保存という課題を明確にできたことも成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のような研究の進展はあったものの、進捗としてはやや遅れている。その理由としては、新型コロナウィルス感染症の再拡大により、在宅での研究時間が多くなり、機材や資料に十分にアクセスできなかったことが大きい。そのためビジュアルエスノグラフィーの制作が遅れている。また上記の事由により、現地調査が困難な状態が続き、追加調査ができなかったことも要因として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においては、新型コロナウィルス感染症の影響も小さくなり、研究室での研究活動が再開でき始めているため、機材や資料を活用して、ビジュアルエスノグラフィーの制作を進めていく。また分析やアウトプットのための追加調査も可能となってきた状態を生かし、感染症対策には十分留意しながら、フィールドワークを再開していく。映像データの整理を外注することで能率化も図っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が再開できる状況になりつつあることに伴い、完成が遅れているビジュアルエスノグラフィー制作のため、データ整理の外注費用、追加調査の旅費などが必要となった。また、書籍での刊行や博士論文完成に向け、関連書籍や文献の購入、研究会や学会発表の旅費が必要となった。
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